商品の品質や疑問などをQ&A方式でご紹介します。


青果物の品質 Q&A
ほうれん草 Q ほうれん草の葉に白い砂(粒)状の物質が付着している。
A これは、ほうれん草の毛で、ほうれん草はアガサ科の植物でありこの科の植物には特有の器官として毛様の物がある。
胡瓜 Q 胡瓜を食べたら臭みと苦味があった。
A 臭みの原因は生きた植物の呼吸によって生成される発酵臭と思われる(低温や加熱などの条件で臭いが強くなる)苦味の原因は胡瓜が持つ苦味成分のククルビタシン。
カリフラワー Q カリフラワーを茹でると小さな虫が出てきた。
A この虫は、植物の新芽などに付くアブラムシで、水洗いしたが完全に除去できず、発生した。
大根 Q 大根にスが入っていて、そこが青くなっている。
A これは大根の老化に伴う生理現象で「青アザ症」呼ばれる。
キャベツ Q キャベツの根に黄褐色の付着物がある。
A これは植物が切断などで傷つけられた時、その部分を修復するため細胞分裂して作られた黄褐色の組織である。
ブロッコリー Q ブロッコリーを茹でた時、茹で水に油膜が出来た。
A 植物の生理現象によって出来るロウで、植物自体が長時間、地中に埋まっている場合に発生する現象です。
レタス Q レタスが苦い、農薬が付着しているのではないか。
A レタスはヨーロッパの野生のトゲチシャを改良したものであるが、この野生種には苦味成分としてセスキテルペンラクトンが含まれていた。
ナス Q ナスをアルミ鍋でゆでるとグリーン色になり、汁は黒くなった。
A  ナスをゆでるとき果皮の成分のアントシアンが溶出し、鍋のアルミニウムと結合したため、汁が黒くなった。また、アルカリ性で加熱されたため、なすがグリーン色になった。
エダマメ Q エダマメを塩湯でした所、茹で汁がピンク色になった。
A エダマメの中のアントシアン(天然色素)が溶け出したもの。冷蔵されたエダマメを茹でると溶け出しやすくなる。
トウモロコシ Q フレッシュコーンの中に黒い粒が混在している。
A 原料のトウモロコシが他の品種と花粉交配して重複受精したため変種の粒が生じた。さらに、これが加熱殺菌によって黒褐色に変色した。
タマネギ Q タマネギが紫色をしている。
A タマネギに含まれている天然色素ロイコアントシアンによるものと思われる。
サツマイモ Q 石焼イモに比べ、甘いサツマシモを電子レンジでふかしイモにしても、甘くないがなぜか。
A 焼イモの甘さは、中にあるデンプンが酵素や熱の作用でゆっくりと分解して出来るグルコースなどの糖類のためである。この分解反応には時間がかかるため、急いで加熱するような調理方法(電子レンジで作るふかしイモなど)では糖化が進まず甘味が少ない。
イチゴ Q イチゴの葉が赤いが、着色料を使用しているのか。
A イチゴの窒素肥料を過量に散布すると亜硫酸ガスが発生する。このガスによって「枯れあがり」といわれる現象が起きる。この状態では、イチゴのアントシアンによって葉が赤く見えることがある。
メロン Q メロンの果肉の一部分だけが非常に苦い。
A ウリ科特有の苦味成分であるククルビタシン(エラテリシン)によるものと思われる。
ミカン Q ミカンの表面にキラキラした金粉のようなものが付いているが何か。
A これはミカンの被膜剤であるフルーツワックス(シェラック樹脂)がはがれたもの。食べても消化されずに、排出される。
リンゴ Q リンゴの皮がベタベタしているが害はないのか。
A リンゴのベタベタを分析するとリノール酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸である。ベタベタのあるリンゴで色が良いのは完熟品、悪いのは未熟品。「ふじ」は少ないが、つがる、千秋などは出やすい。
Q 皮をむいたリンゴをそのままにしておくと、茶色に変化していくのはなぜか。
A リンゴの果肉に含まれる成分(タンニン、クエルセチン色素、クロロゲン酸)は、酵素(オキシターゼなど)の働きによって酸化を促進され変化を続け、最後に褐色の物質に変化する。バナナ、ナシ、ジャガイモ、ナス、レタスが変色するのも同じ理由。
バナナ Q バナナを一晩冷蔵庫(10℃以下)に入れておいたら、皮が黒くなった。
A 生きている植物体を低温で保存すると、活発な酵素力が抑えられる。呼吸作用なども不活発となり、しなびたり栄養分の減少が遅くなる。ところがバナナは10℃以下になると呼吸が止まり窒息状態になるため、皮が黒くなる。
ブドウ Q ブドウの表面に白い粉がふいているが、毒性はないのか。
A 天然の果実には一般に果粉としてソルビトールが存在する。これが白い粉となってブドウの表面に付着している場合が多い。他に、石灰ボルドール液の散布が残存することが考えられる。