三河国豊川市
御油宿
から赤坂宿へ
江戸日本橋から御油宿まで298km、 御油宿〜赤坂宿間1.7km
     
この区間は2002.11.9吉田宿に引き続いて歩いた。
天気はよく風も気になるほどではなかった。
とても短い区間であったので一気に通り過ぎたという記憶がある。
ただ天然記念物の御油の松並木は確かに一見の余地ありと思った。
豊川市小田渕国府商店街御油宿御油松並木宝飯郡音羽町

                                         
御油宿:御油という珍しい地名の語源は、持統天皇が近くの宮路山に行幸されたとき、油を献上したという伝説に由来するという。江戸から35番目の宿場で見付宿(磐田市)を結ぶ姫街道の起点の追分宿としても栄えた。隣の赤坂宿とはわずか1.7kmの近い距離であったため、ここに泊まらせようと大勢の客引き女が必死に客の袖を引いた。1843(天保14)年の宿の住人は男が560人に対して、女が730人と多く、これは飯盛り女(旅籠で旅人の寝食を世話をする女性)が多かったことを示し、最盛期は300人もいたという。
東林寺には旅籠の主人たちが建てた、世をはかなんで死んでいった飯盛り女の菩提を弔った墓がある。
 本陣:2、脇本陣:0、旅籠:64、人口:1,298人

   
 佐奈川にかかる佐奈橋を渡り豊川市に入ると右手に国道1号線、左手に名鉄名古屋本線に挟まれた形で北西へ真っ直ぐ約2km進むと、左に曲がってきた一号線に出る。旧東海道はこの1号線を横断して進むのであるが、現在通行できないので合流して300mほど歩いたところで、名鉄名古屋本線を跨線橋で渡ることになるが、現場はとてもわかりにくくて結局道に迷いとんでもない方向へ行ってしまったが、道を尋ねるにも人影が全く見当たらない。ようやくミニストップのコンビにで尋ねたらよく道に迷ってくる人がいるということで、手馴れたかんじで道を教えてくれた。跨線橋を渡り1号線を約600m行くと道は分岐して、旧東海道は1号線と別れて左手(写真)に入る。
    
 分岐した直後の左側にとてもシャレた建物があるが、これはKOBAN(写真)という所で、いわゆるお巡さんがいるところである。東海道を歩いていると、このような親しみやすいKOBANをよく見かけた。
   
 交番を過ぎると国府の商店街となり、歩いて行くと右側に半僧坊大権現の社(写真左)、1800年に建立された205cm高さの立派な秋葉山常夜燈(写真中)薬師瑠璃光如来薬師堂(写真右)が続いてある。
    
 商店街を800mほど進むと、右に大社神社(写真)があり、その先の右に江戸日本橋から76里の一里塚標示。
    
 さらに進むと十字路があり横断した右角に、旧東海道と姫街道(本坂越)追分道標(写真左)秋葉常夜燈(写真右)がある。常夜燈には「左ほうらいじ道」、石標には「秋葉山三尺坊大権現道」と記されている。いわゆる姫街道とは見付宿からここまでの61.4kmにわたるいわば旧東海道のバイパス道路で、新居関所の念入りな身体検査を避けたい女性たちが歩いた、浜名湖迂回の山道街道ということになるのかもしれない。
   
 商店街を出ると、音羽川にかかる御油橋(写真左)を渡る。御油橋から見る音羽川(写真右)
   
 橋を渡るとそこは御油宿の町並み(写真)であり、連格子をつけた低い二階建の旧家が軒を連ねて昔の面影を現存している家並みをみせてくれる。
    
 家並みのはすれから右折するが、そのコーナーにベルツ花夫人ゆかりの地の看板(写真)があり、ここはベルツ博士の妻、花の実家跡である。花は日本人として国際社会で活躍した先駆者の一人である。明治9年ドイツから招かれたベルツ博士は日本の近代医学の祖と言われた人で、花はベルツ博士と結婚して博士の帰国とともに花もドイツに渡った、博士が亡くなったあとの大正11年に日本の父の実家のこの地に戻り、博士と娘の菩提を弔った。
   
 花夫人の看板から右折して少し歩いて左折すると、右側にみそ・しょうゆの看板の店(写真左)があり建物は現代風であるが何か由緒がありそうである。道の反対側には本陣跡標示(写真右)がある。
   
 600mほど進んで行くと松並木の入口(写真左)になり、ここは御油松並木天然記念物の標識がある。1604(慶長9)年から徳川家康が約650本の三河黒松を植樹させたもので、箱根の杉並とともに東海道随一の景観を誇っている。松並木(写真中)を歩くとやはり他の東海道の松並木とは何か違う感触を受けた。是非この松並木を散歩されることをお勧めしたい。
 約600mの長さの
松並木を過ぎる(写真右)と豊川市から音羽町になり、赤坂宿になる。
                                             
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