中田宿から古河宿へ
 (宿間距離 6.9km)
             
この区間は、2003.11.1栗橋宿に引き続いて歩いた。
中田宿は茨城県古河市中田にあり、江戸時代は埼玉県の栗橋宿から
約700mの川幅のある利根川を船で渡ってたどりついた。
当初関所も置かれていたが、のちに栗橋の方へ移された。
宿の業務は栗橋宿と分担する、合宿の形態をとっていた。
またここには静御前とゆかりのある光了寺がある

時計は15時51分。利根川橋の上は曇天のせいもあり夕方を思わせる雰囲気であった。
利根川橋で、埼玉県から茨城県古河市に入り中田宿を目指して歩いた。

  
橋を渡ると、すぐ左折して土手沿いの道を下る。
   
下っていくと、道の突き当たりに「房川渡と中田関所跡案内板があり、次のように記されている。
 当地は日光街道で唯一の関所と、渡船場の両方があったところである。利根川のうち、当地と対岸の栗橋の間の流れの部分を「房川
(ぼうせん)」とよび、渡船場を房川渡、関所を房川渡中田御関所といった。しかしその後関所は対岸の栗橋川の水辺に移されたので、一般には「栗橋の関所」の名で知られるようになった。関所は明治2年(1869)に廃止された。二艘の渡し船と五艘の茶船の渡船場の方は、大正13年(1924)に利根川橋が完成するまで続けられた。
    
道は直角に右折し、ここから旧日光街道を歩くことになる。
   
右折して4分ほど歩いて利根川堤信号の交差点(写真右)を横断すると、歩道の左側に中田宿案内板(写真左)があり、次のように記されている。
 江戸時代の中田宿は、現在の利根川橋の下、利根川に面して今は河川敷となっている場所にあった。
宿は堤防下から約530mほど続き、本陣、問屋、旅籠、茶店などが軒を並べていたが、殆どは農家と兼業であったという。宿場の業務は対岸の栗橋と交代であたる、いわゆる合宿の形態をとっていた。天保14年(1843)の調査では、栗橋宿404軒に対し、中田宿は69軒となっている。

   
この通りには神社・寺院が並んでいる。
交差点から5分ほどの左側に
鶴ヶ峰八幡神社がある。源頼朝が相模国鶴岡八幡宮の分霊を上伊坂(現在地の中田)に勧請したもので、新田義貞が北条時高追討の際戦勝祈願したという。
  
その先には弘法大師が創立したという光了寺がある。光了寺は利根川の改修で移される前は武蔵国高柳村(埼玉県栗橋町)にあり、高柳寺と号して、文治5年(1189)には静御前が帰依した寺としても有名。寺宝として静御前が蛙螟龍(あまりりゅうの舞衣などがある。
   
さらに歩くと庭園がとてもきれいな円光寺がある。
   
そしてちょっと行くと本願寺と続く。
   
寺院を過ぎて5分ほど歩くと右側にシャレた建物が見える。写真ではよくわからないが、現物は一瞬はっと思わせるような派手さのあるユニークな小学校の建物であった。もしかしたらあまりにも地味な神社・寺院を見すぎたための目の錯覚であったかもしれないが・・・。
   
淡々とした道を歩い行くと、やがて道は左にカーブしJR東北本線の踏切を横断する。この辺から幅広い歩道のある整備された道が延々と続く。道路標識を見ると「県道228 古河市茶屋新田(写真中)とある。将軍徳川秀忠が日光参詣の折ここに仮設の茶屋を設けたのが、そもそもの茶屋の地名の由来という。 
  
茶屋新田を過ぎると、右側が雑木林の道が延々と続く。時は17時頃で日暮れがはっきりとわかる。雑木林からはカラスの鳴く声だけがカァ〜、カァ〜と。とても物寂しい気持ちに襲われた。誰に会うこともなく、時おり通過して行く車の騒音に励まされてひとり古河駅に向かってひたすら歩いた。
   
記録写真も既にタイムリミット。
何故かイヤに遠くになってしまった古河駅。暗い夜道に迷ったのではないかと疑心暗鬼になり、たまたま前から来た女性に尋ねたら古河駅までは20、30分くらいとのこと。喜び勇みの足取りを復活させて歩いたらようやく
原町交差点。続いて県立古河第二高校。しかしもう30分は過ぎてしまった。
またまた道に迷ったのではと悩みながら、ついにあれから50分くらいたってJR古河駅にたどり着いた。
ここから例のごとくの今夜の宿泊所探し。

   
今日は2003.11.2。
ホテルを朝7時30分にに出発して、昨夜暗くて写真がうまく撮れなかった史跡を撮影に、古河駅からタクシーで昨日歩いた県立第二古河高校前まで往復した。
原町信号から300mほど歩いてくると、丁字路の角に「
十九夜」と刻まれた石塔がある。女性が安産と子育てを祈願するために建てた月待供養塔で、旧暦19日に女性が集まり十九夜月を礼拝し、燈明や線香をあげて十九夜念仏を唱えたという。
   
道を挟んで県立第二古河高校の校庭があり、その一角に古河一里塚が現存している。
これで中田宿の取り残し写真がなくなったので、再度古河駅へ向かい古河宿を歩くことにした。

   
            
                   
栗橋宿 古河宿へ
                   
ホームページ 日光街道